勉強を行ううえで欠かすことのできないのが「暗記(または記憶)」ですね。
どんな人でも、多かれ少なかれこの暗記に悩まされた経験はあるんじゃないでしょうか。
そして、暗記力はその人の能力に依存すると思っている人が多いのではないかと思いますが私は違うと考えています。
暗記というものは立派な「技術」なのです。ここでは、暗記という技術の重要なポイントである「忘却曲線の管理」について解説していきます。
忘却曲線の管理
勉強はそもそもなにかしらのアウトプット(例:テストで成果を出す/仕事に生かす/日常生活に生かす、など)を前提に行うものなので、暗記や記憶と隣合わせなのです。
そして、暗記の8割は忘却曲線の管理により成り立っているといえます。そして、「忘却曲線の管理」は「復習タイミングの管理」と言い換えることが可能です。これって能力というよりも技術の問題だと思いませんか?
勉強の重要な部分を占める暗記(記憶)の8割が、復習タイミングの管理という技術によって成り立っているのであれば、その技術を意識して使わないのは非常にもったいないですよね。
でも、多くのひとは暗記を根性論だとか能力の問題だとかに帰着させてしまっているんですよね。もったいない・・・。
忘却曲線についてはみなさんもご存じかと思います。
かつてエビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導きました。結果は以下のようになったようです。節約率とは一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに必要な時間(または回数)をどれくらい節約できたかを表す割合です。
20分後には、節約率が58%であった。
1時間後には、節約率が44%であった。
約9時間後には、節約率は35%であった。
1日後には、節約率が34%であった。
2日後には、節約率が27%であった。
6日後には、節約率が25%であった。
1ヶ月後には、節約率が21%であった。
つまり、この研究によると「記憶を長期的に保持するには適切なタイミングでの復習が効率的である」ということなります。そして放っておくと、当たり前ですが記憶の質は低下していき、どこかのタイミングでアウトプット不能なまでになります。
そしてこの「復習タイミングの管理」こそが、「忘却曲線の管理」なのです。
既知のことに時間を割くよりも新しいなにかを勉強することにエネルギーを割いてしまうのは人情ですが、是非この技術を理解して活用してほしいのです。
そのうえでまずは以下の2点のような方法を提案します。
- 翌日の復習はルーティンとしてしまう。(翌日の復習が最も重要。)
- 学習内容については内容と日時を簡単に記録を残す。(復習すること自体を忘れないため、時間を管理するため)
そして、現代は便利なアプリケーションが揃っています。
特に筆者がおすすめするのはAnkiというアプリです。
Ankiは米国の医学生も愛用している暗記アプリで、簡単に言ってしまうと電子上で作っていく単語カードのようなものです。カードを一度作ってしまえば、あとは復習タイミングをアプリが管理してくれるという優れものです。
PC⇔スマホ⇔タブレットの同期も簡単なので単純な知識ものの管理や隙間時間での勉強には非常におすすめです。
かくいう筆者も電車の移動時間やエレベーターに乗ってる時間なんかに使っており、効率よく復習できるので本当に重宝しています。また、使い方の説明なんかもできればと思います。
まとめ
今回は暗記の技術として重要な「忘却曲線の管理」についてお話させていただきました。
特に、復習をなんとなくのフィーリングで行っていた方は、上記で紹介した方法を実践するだけで長期的にみてものすごく負担が軽くなるはずです。
また、Ankiは本当におすすめアプリなのでぜひ活用してみてください。