教育

受験生にこそ瞑想を勧めたい

近年、じわじわと話題になっている瞑想について紹介します。

Appleのスティーブ・ジョブズやMicrosoftのビル・ゲイツなどのクリエイティブの最前線で戦う人たちから、プロ野球選手のイチロー、プロテニス選手のジョコビッチなどの一流スポーツ選手まで、現在では多くの著名人も瞑想を実践し、その効果を認めているといいます。

そしてこれ、特に受験生にもぴったりなスキルなんじゃないかと個人的には考えています。

決して宗教的な儀式に留まらない効果が、瞑想にはあります。

ときには社会人よりも長時間、勉強という自身との戦いに身を投じる受験生は、当然多くのストレスや悩みを抱えています。僕も受験生のときに感じた重圧を思い返すと、社会人のほうが気は楽だなと思うことすらあります。

そんな、受験生の心理的な問題をうまくやり過ごすために、瞑想はぴったりなんです。

その理由を以下で紹介しますので、興味のある方はぜひ実践してみるとよいでしょう。取り組み方はYoutubeや書籍などでいくらでも紹介されています。

今回は特に、医学的にも着目されているマインドフル瞑想に焦点を絞って紹介します。

そもそもマインドフル瞑想ってなに?

マインドフルネス瞑想とは、米国の医学博士であるJ.カバットジン博士が考案した瞑想法です。

J.カバットジン博士が鈴木大拙の著書を通じて出会った禅に感銘を受けて、なんとか瞑想のエッセンスを医学に応用できないか、と考えて確立した瞑想法なんです。

マインドフルネス瞑想が受験生にもたらす効能は、「ストレス対処能力の向上」、「自身の心身の不調に気付くことができる」、「ワーキングメモリの向上節約」など数多くあると思われます。

通常の瞑想と異なり、明確な医学的エビデンスもあり、手法やタイムスケジュールも確立されているので、取り組みやすさという点では利点があります。既に難治性の疼痛の軽減やうつ病再発予防など、医学的なエビデンスも集まりつつあるのも安心ですね。

マインドフルネス瞑想の概要

マインドフルネスのプログラムの内容には呼吸法やヨーガなどさまざまな手法が含まれますが、その根幹は注意集中力のトレーニングであるといわれています。

人々の多くは無意識に、そして自動操縦的に生きてしまっている状態なのですが、自分の呼吸や心の動き、一挙手一投足、その瞬間瞬間に注意を向ける練習をすることで、自身の心や身体の状態をコントロールしやすくするという理屈なのです。

トレーニングはまず、静座瞑想から始まります。静座した状態でゆっくりと腹式呼吸を行い、自身の呼吸や四肢末端にいたる身体全体、そして心に注意を向ける練習です。

トレーニング中、心の中には次から次へと「あれやこれや」と考え事が湧き出てきます。ここで注意すべきなのは、別にこの「あれやこれや」を完全にゼロにしようと試みる必要はないということです。

次々に出てくる「あれやこれや」という考え事に一旦は目を向けても、すぐに手放して呼吸をはじめとするその瞬間瞬間へ再び注意を戻すのです。要は「考え事を手放す」ための練習なのです。

本道のマインドフルネス瞑想では、徐々にヨーガなどを組み込んだ高度なトレーニングへと移行していきます。しかし、自宅でやるのであればまずは静座瞑想や呼吸の練習まででよいでしょう。

このトレーニングは継続することに意味があります。自転車のようにあるとき急に乗れるようになるという技術ではなく、継続したトレーニングにより徐々に習熟していく類の技術なんです。

勉強しているときやテスト中など、受験生は孤独な存在です。そんなとき、マインドフルネス瞑想という技術が必ず助けになってくれると思います。

マインドフルネス瞑想の効能

前述した、マインドフルネス瞑想の効能についてもうすこし補足説明をしておきます。

受験生に有効そうな効能は以下の通り。

  • 「ストレス対処能力の向上」
  • 「自身の心身の不調に気付くことができる」
  • 「ワーキングメモリの向上・節約

ここまで読んでいただければ、上記の効能がある理由についてはなんとなく察していただけるかもしれません。

まず、さまざまな「あれやこれや」を手放して今この瞬間に集中するためのトレーニングなので、ストレス対処にうまくなるのは当然です。

また、自身の心身への注意観察力を高めるトレーニングなので、それらの変化を鋭敏に察知できるようになります。

そして、ストレスが軽減することでワーキングメモリに余力が生まれるので結果的にワーキングメモリの向上につながります。(※ワーキングメモリ=脳におけるCPUの役割を担う能力。勉強に必須。)

まとめ

マインドフルネス瞑想がなぜ受験生におすすめなのか説明しました。

もちろん、家族や趣味、友達など、辛い受験勉強を乗り切る手段はいくらでもあります。

しかし、それはすべて外部環境の要素です。どうあがいてもテスト中は必ず一人、勉強の結果は自己責任なのです。

10代の若者には強すぎる重圧ですが、だからこそ自身で心身をメンテナンスする術を心得てもらいたいと感じています。

マインドフルネス瞑想は、心身のメンテナンス方法としては非常に有効で効果も立証されています。皆で実践して、どんどん浸透させてもらえればと思います。